マスターブログ

2014年8月11日 月曜日

利益はいくら必要ですか?

過去にないぐらいの暴風雨をもたらした台風11号でしたが、ようやく日本海上に抜けたようです。
被害を受けられた方に、心よりお見舞い申し上げます。

私は先週金曜日に京都へ行き、土~日に延暦寺にて参禅教室に参加する予定でしたが、中止になったため、この週末は仕事をしたり資料を読んだり、今後の事業展開などを考えたりして過ごしました。

そうしましたら、ふと、居酒屋を数店舗経営されているある社長から、決算時に

「先生、うちの会社はいくら利益を出せばいいんですか?」

と聞かれたことを思いだしました。

利益というのは、目標、言い換えれば、目的地です。

例えば、私が先週の金曜日に京都へ行ったとします。
ホテルのチェックインを午後9時にしていました。
この場合、目的地は京都駅前のホテルで、午後9時までに到着しなければなりません。

では、そのためには何時に出発しなければならないか。

最寄駅から京都駅まで新幹線で約2時間30分、京都駅からホテルまで約5分かかりますので、逆算すると、午後6時頃には事務所を出る必要があります。

これを利益計画に置き換えると、目標利益に相当する、何時に目的地に到着したいかとは、午後9時に京都のホテルにチェックインしたい、ということです。
そして、売上に相当するのは、逆算して、午後6時に出発する、ということになります。

従って、いくら利益がほしいのかという目標は、当事者である社長自身が決めることです。とはいえ、見当がつかないよ、という場合も多いと思います。

目安として、借入金がある場合は、(年間返済額-減価償却費)÷0.6が最低限必要な利益です。減価償却費はお金の支出を伴わない経費ですので、そのまま返済額に充当し、足りない分を利益から返済することになります。利益からは法人税等の税金が約0.4引かれてしまいますので、残った0.6で返済します。

さらに、さきほどの(年間返済額-減価償却費)÷0.6に人件費や家賃等の経費をプラスすると、目標粗利益になります。

目標粗利益÷粗利益率で、目標売上が計算できます。

このように、目標利益から逆算して目標売上を計算します。

事業を拡大するため、さらに銀行から借入れを行いたい場合は、最低限必要な利益を、その分増やす必要があります。
当然、目標売上もそれに応じて増えますので、実現可能かどうか、よく検討する必要があります。

「事業経営は逆算である」と一倉 定先生はおっしゃっていますが、上記を見ますと、まさにそのように思います。


投稿者 杉田浩二税理士事務所